一昨日、Vietnam Business Summit 2019 という会議がDaewoo Hotelであり、参加してきました。テーマはデジタル時代のベトナムビジネスについてです。
ベトナムの首相である、フック首相がスピーチが予定されており、セミナーの参加登録も異様に厳しいものでした。結局フック首相は結局当日来れなかったのですが、代わりに副首相が来ました。
いつも密かに思っているのですが、日本語で聞くとき、「フック」首相と「副」首相は紛らわしいですねw
副首相は、Dam副首相が来ました。5名いる副首相のうち元官房長官の経歴があり、デジタル推進担当ですね。首相が指名した、電子政府国家委員会の副委員長です。また、5名のうち、最も若いです。政府のサイトに経歴が掲載されていますが、出身はHai Duong(ハイズオン)です。
副首相が参加したパネルディスカッションには、鹿児島県の三反(みたぞの)県知事が来られていました。総勢123名の団体で日本から来たとのことで、プレゼンが盛り上がっていました。演説がどこか選挙演説のようでしたが、とても勢いがあり、話がうまいな~と感じました。
鹿児島には、近代化の歴史が始まった場所で、ベトナムからも近く、美味しいものがたくさんあって、是非みなさん、鹿児島にGoGo!という感じで、県知事のワールドを繰り広げていましたw
副首相も笑っていました。
(知事のプロフィールを見たら、元ニュースステーションのキャスターだったようです。。)
本サミットには各国の大使が来られていた中で、県知事が副首相とパネル対談し、サミットの最後には副首相の出身の省人民委員会とMOUを締結していたようです。すごいことだと思います。一在住日本人として成功を祈っています。
県知事と言えば、この前も千葉県知事や長野県知事がそれぞれフック首相を訪問しており、県知事と首相が対談するものということを知りました。
各県とも対談内容は特にベトナム人の介護人材の呼び込みが目的のようです。特定技能制度もでき、外国人材の確保に動いている様子が、ここでも感じられました。
その他、いずれも2019年中に、新潟県知事がズン副首相を訪問したり、愛知県知事がフエ副首相を訪問したりしており、鳥取県がベトナムに来たり、自治体の国際協力活動が活発です。
本サミットのテーマを振り返ると、デジタル化というテーマだったのに、全く関係ないのですが。。。
デジタル化については、VCCI会頭、科学技術省副大臣、マイクロソフトベトナム社長、MoMo社長、CMCグループ副社長、MOLISA副大臣、ILO専門官、首相経済アドバイザーなど、そうそうたるメンバーがパネル登壇しました。
まとめると以下のような議論がありました。
- ベトナムの好調な経済成長を持続させ、中所得国の罠から抜け出すためには、デジタル化の推進が必要
- ベトナム企業は、外資系企業と組みながら、デジタルフォーメーションを推進している
- ポテンシャルがある一方で、チャレンジなのは、外資系企業にベトナム企業が買収されないようにすること
- デジタル化の推進には、更なる規制緩和が必要
- デジタル化のための人材育成と政府の支援が必要
土台としては、ベトナムは若い人口が多く、インターネットやスマートホンの普及率が非常に高いです。政府も電子政府国家委員会を設立し、Industry 4.0を協力に推進しようとして、日本政府もそれを支援しています。
講演では、エビの養殖産業で、オーストラリア企業と協業し、エビの中にチップ入れて効率的な養殖事業を行っているベトナム企業が印象的でした。各国はベトナム企業と組んでベトナムに進出しているようです。
外資系企業から買収を防ぐことがチャレンジだとあったのが印象的でした。
ベトナムはIT技術者の育成も盛んであり、オフショア市場も育っています。サムスンはベトナムの輸出の4分の1を支えていますが、サムスンはCMCの4分の1の出資を決めています。Made-in-Vietnamを目指すというスローガンを首相や官房長官が宣言していますが、外国の侵略に長年耐えてきたベトナムは、デジタル時代の領域争いについても、同様に考えているか、とふと思った次第です。
参加者の一日本人としては、鹿児島県知事のプレゼンがやはり一番印象に残りました。鹿児島の和牛をもっとベトナムに輸出して、我々の食生活を豊かにしてください~