アジアンプリンス日記

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ベトナム駐在員のメモです。遊び先、金融、不動産、法律、レストラン、生活、日々蓄積した情報で、ベトナムに関わる方の役に立てれば幸いです。(上記の「アジアンプリンス日記」をクリックすると、記事一覧を見ることができます。)

ベトナム株の高配当銘柄一覧

ベトナム 株 配当

成長著しいベトナムですが、株式市場も順当に伸びています(以下参照。)。

成長度合いともう一つ、注目に値するのが、配当の高さです。金利も高いため、配当も高い企業が多いのが、ベトナム株でありますが、どの銘柄が高いのか、探すのも一苦労と思います。

ここでは、私が多様なソースから探し出した高配当銘柄リストを紹介します。

 

ベトナム株式市場の様子

以下の図はVN指数のチャートですが、ここ10年間で株式市場が伸びているのが良くわかります。

VNINDEX

ベトナムVN指数の伸び

出典:SBI証券HPから抜粋

コロナショック後の伸びが凄まじいですが、2021年5月8日日経夕刊1面や、その他メディアでもベトナム株の有望性が取り上げられています。

 

ベトナムの株の特徴→成長+高配当

ベトナム上場株は高配当銘柄が多いのも特徴です。市内の銀行金利は定期預金でも年利7%程度だと思いますが、配当利回りが10%以上ある銘柄も探すと結構あります。上で述べたように、株式市場全体で成長しているため、配当を得つつ、株価の上昇を期待できるのが、ベトナム株の特徴と言えると考えています。

Vietnam stockというサイトのある記事を参考にすると、 配当利回りが10%以上の銘柄は大体100銘柄ほどあり、配当利回りが15%以上ある銘柄は20~40銘柄あります。

 

配当の確認方法

配当の確認方法は、以下の記事で記載していますので参照ください。

ベトナムの株は配当日が決まるまでが遅いので、1ヶ月先程度の予定しか確認できないことが多いです。

ちょくちょく確認するしかないのですが、配当日を一覧で確認できて便利な方法を記載しています。

dokic2.hatenablog.com

 

VN30構成銘柄の配当

最初に、ベトナム株の代表である、VN30を見ます。VN30とは、ホーチミン証券取引所のベトナム株式市場の主要銘柄を集めたインデックスです。30の大企業から構成され、取引所時価総額の80%を占めます。

毎年1月と7月に構成銘柄の見直しが行われます。以下で最新構成銘柄を確認できます。

→Vietstockのサイト、ホーチミン証券取引所のサイト

 

2023年7月現在のVN30構成銘柄は以下です。

私がベトナム駐在していて、生活の中で聞いたことがある企業がほとんどです。銀行が多いのと、ビングループだけで3銘柄もあります。

最新の2022年の配当利回りを拾いましたが、2022年は市況が悪く、配当を出している企業は少ないです。この時期に配当を出している企業は、配当に力を入れていると言えるでしょう。

これとは別に、銀行株はこれまで現金配当を出さない傾向がありました。

 

ポイント

それは、ベトナム株は、流動性の低い株がかなりあり、なかなか売却できないリスクがあることです。その他、基本的なことですが、売上の伸び、外国人保有上限比率(FOL)の制限、毎年配当を出しているか、注目されている割に株価が下がっていないか、などに気をつける必要があります。

流動性の低さで言うと、例えばKKC Metal JSC(KKC)という会社。配当利回りは2017年で驚愕の35.46%と紹介されています。但し流動性が非常に低く、以下のチャートの通り、取引が無い日もあります。

*2020年以降、ベトナム株への投資家が国内外で増加し、本来価値があまり無い企業まで流動性が上がりましたが、2021年現在、少し落ち着いて流動性は元の状態に戻りつつあります。

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KKCの株価チャート(VNDIRECTウェブサイトから抜粋)

中でも、近年ベトナム株の情報はインターネット上にも多くありますが、その辺りで注目されている銘柄は、2018年頃までに注目されて伸び、その後株価下落傾向にあるものが多い印象です。

例えば、ビナミルク、ビングループ、サイゴンビールなど。高配当銘柄ではないですが、時価総額が高く信頼できるということで、有望銘柄として紹介されています。しかし、軒並み株価は下落傾向にあります。

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ビナミルクの株価チャート(VNDIRECTウェブサイトから抜粋)

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ビングループの株価チャート(VNDIRECTウェブサイトから抜粋)

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サイゴンビールの株価チャート(VNDIRECTウェブサイトから抜粋)

 

高配当ばかりに注目して、株価が下落傾向にあることを無視すると痛い目にあいます。

余談ですが、私は日本株で、以前日産に注目しており、当時株価が下がっていて配当が高く見え、大企業なのでそのうち上がるだろうと思って購入しました。ところが、その後ずっと下落していき、やばいなーと思っていた矢先、カルロス・ゴーン氏が国外逃亡する事件があり、トドメを刺されましたw 

一説によると、企業に近い証券会社など大株主は、かなり早めに情報を掴んでおり、悪い情報だとそれが株価に反映されて徐々に株価が下がると言います。特にベトナムだと情報が入手しづらいため、下落傾向にあるのは、それなりに理由があると思い、避けた方が安全と考えています。

 

こうして不安要素を取り除いたのが、以下に記載するリストの銘柄になります。

 

高配当銘柄一覧(2019年配当金ベース)

ベトナム株高配当銘柄

左端の評価欄の△の銘柄は、何かしらの観点で△のため、△としています。上からの順番に意味はあまりありません。2019年の配当利回りが10%以上ある銘柄のみリストに含めています。日本株と比べてかなり魅力的に見えるのではないでしょうか。

・毎年の配当:毎年配当が行われているか。毎年であれば○

・取引量:毎日の取引量が少なくないか。(流動性があるか)。あれば○、若干少なければ△

・外国人比率:外国人の保有率が制限以下であれば○

高配当銘柄は他にもありますが、何らかの理由で✕がつくものはリストから排除しています(SBI証券での取り扱いの有/無は除く)。

また、これらの銘柄から、株価が下落傾向にないか、売上は順調かなどを考慮する必要はあります。

 

高配当銘柄一覧(2020年配当金ベース)

この記事を見ていただいた方が多かったため、今年集めたデータを基に、2020年版も掲載します。


・毎年の配当:毎年配当が行われているか。毎年であれば○

・取引量:毎日の取引量が少なくないか。(流動性があるか)。あれば○、若干少なければ△

・外国人比率:外国人の保有率が制限以下であれば○

一つでも△の項目があれば左端を△の評価にしていますが、割と厳し目の評価になったと感じているので、あまり気にしなくても良いと思っています。

また、右端の2019年リストへの掲載を見ると、結構銘柄が入れ替わっているのが見て取れます。コロナの影響もあると思いますが、個別企業の配当方針が流動的であることを表しているものと考えています(株価が上昇すれば配当利回りが下がるので一概には言えませんが。)。

 

高配当銘柄一覧(2021年配当金ベース)

2021年版も集めたデータを基に以下にまとめました。

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21年も20年と同じ観点です。21年もベトナム市場が伸びましたが、高配当で優良な銘柄も割とあったなという印象です。19年、20年にもあった銘柄は安心感がありますね。

 

高配当銘柄一覧(2022年配当金ベース)

好評のため、2022年版も集めたデータを基に以下にまとめました。

 

・2022年は世界中の株式市場がダメージを受け、ベトナム株も大きく下落しました。そのため、配当利回りが高い銘柄が多かったですが、その分、直近の四半期の利益の伸びを考慮して抽出しました。線グラフで表現しています。

・昨年と比べて、日本のSBI証券取扱い銘柄が増加し、UPCoMの銘柄が減少。

・2022年は、権利付き最終日の株価で試算しました(過去のリストは、権利落ち日)。

・利益は、税引き後当期純利益です。毎年配当がきちんと支払われており、かつ、利益が伸びている企業が良いと考えています。

 

日本にいながらベトナム株を買うなら、特に高配当銘柄が良い

ベトナム在住の方は、SSI証券などで外国人でも口座開設できます。日本でベトナム株を売買するよりも、圧倒的に手数料が安いです。

日本在住の方は、SBI証券や岩井コスモ証券で日本にいながらベトナム株を取り引きできます。為替スプレッドを入れても、岩井コスモ証券の方が手数料が安いです(インターネット取引ができないので、SBI証券一択かもしれませんが。)。

両社とも最低取引手数料が5,500円~6,000円程度かかることを考慮すると、頻繁に取り引きしづらいことから、日本の証券会社でベトナム株を買う場合、高配当銘柄を保有し続けることが良いのだと思います。

ちなみに、配当に関する税金は、日本の証券会社で取り引きした場合、国内源泉徴収税(20.315%)の対象になる(この場合現地課税は非課税)ので、ベトナムの証券会社だと配当に5%しか税がかからないことと比較すると良くないです。

しかし、現金配当ではなく、たまにある「株式配当」の場合、日本の証券会社がすべて売却してくれて、源泉徴収した上で口座に現金を振り込んでくれます。これはベトナムの証券会社(少なくともSSI証券)では無理ですし、売却したい場合もすぐには売却できなかったり、付与された株のうち単位株以下の端数は処理が若干面倒であり、日本の会社の方が良い点だと思います。以下参考までに。

→ SBI証券で 口座開設

→ 岩井コスモ証券で株式取引

 

配当カレンダーによる優良株の抽出

参考までに、上記観点で高配当株を見つける過程で、配当カレンダーをベースとして、現在も日々、優良株を抽出していますので、以下の記事で紹介します。

 

dokic2.hatenablog.com

 

ベトナム株全般の情報まとめ

参考までに、その他の投資と比較して、以下にまとめています。

dokic2.hatenablog.com

 

以上の情報は責任を負えるものではありませんが、ベトナム株への投資の参考にしていただければと思います。

2022年は世界市場でも、ベトナム市場でも辛い年でした。そのような中でも、配当実績があり、利益が伸びている高配当企業は信用できると考えています。