アジアンプリンス日記

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ベトナム駐在員のメモです。遊び先、金融、不動産、法律、レストラン、生活、日々蓄積した情報で、ベトナムに関わる方の役に立てれば幸いです。(上記の「アジアンプリンス日記」をクリックすると、記事一覧を見ることができます。)

日本からベトナムへの海外送金

私はベトナムに居住していますが、自分の子供の学費支払いの際にまとまったドル/ドンの支払いが必要となり、かなり困ったので、日本からベトナムへの送金方法をメモとして共有したいと思います。

結論としては、Wise (ワイズ)一択です。

 

transferwise ベトナム 送金

Wise ホームページより

 

しかし、作ってくれた人、本当に神です。 

 

他の方法

としては、

  1. 日本の銀行からベトナムの銀行へ海外送金
  2. 知人に現金で運んで来てもらう
  3. 海外送金サービスを利用する(enRemitPayForexSBIレミット(マネーグラム)Sendy(セブン銀行)Kyodai RemittanceウェスタンユニオンWorldRemit など)
  4. PayPalを利用する

などがあると思います。

1は手数料が高い。

2はタイミングよく(自分のお金を運んでくれる)知人が来ない。

3はすべてマイナンバーカードが必要。マイナンバーカードはもしかしたらベトナム赴任後(転出後)も持っている可能性もありますが、基本的には、海外へ転出の際には自治体へ返納することになっているはずです。

WorldRemitなどSingUpすらうまく機能できないサイトも含め、多様なサービスがありますが、そもそもマイナンバーカードがない海外居住者は登録不可です。

4はベトナム側でもPayPalアカウントを作成してそれをベトナムの銀行に登録する手間、また、日本の銀行の振替手数料が必ず発生します。ウェスタンユニオンも老舗+安価で良さそうだったのですが、一回10万円まで(×24日以内に3回まで)の制約があります。ただ、受け取り側(ベトナム側)で銀行口座が無い場合は、(日本居住でマイナンバーカードがある場合は)選択肢の一つかもしれません。

 

費用は、私が確認する限り、1 > 2 > 4 > 3 でした。Wiseは3とほぼ同じか若干3より安価です。さらに、知人に迷惑をかけることもない。当初Wiseを知らず、上司に大金を持ち運ばせましたが、かなりドキドキしていました。高額の日本からの持ち出し、ベトナムへの入国には規制があります。

Wiseは着金も早いです。早くて当日~1営業日後に現地の銀行に着金します。

 

というわけで、Wise一択。

 

カスタマーサポート(日本語OK)も良いです。

 

 

Wise(ワイズ)とは

Wiseは、海外送金サービスです。国際送金のフィンテック企業として広く認知されています。2021年7月7日には、ロンドン証券取引所に上場されました(参照:日経記事)。ロンドンで暮らす2人のエストニア人(片方はSkypeの創業メンバー)が、母国に送金する手数料の高さに辟易して生まれた節約術から発展した企業です。2011年設立。

その背景から、銀行の海外送金比べて大幅に費用を抑えたサービス(為替手数料や隠れコストを削減:参考)となっており、かつ、迅速な送金を可能にしています。銀行は手数料に加え、為替レートにも手数料を乗せているため、高いということです。

2021年2月25日よりブランド名がTransferWise(トランスファーワイズ)からWise(ワイズ)に変わりました。

 

レート・手数料

以下のリンクから確認できます。送金する円が、手数料と為替レートと為替手数料を引かれて結局いくらのドンになるのかが分かるので、とても便利、かつ手数料的にも他の送金手段と比べて非常に有利なのが分かります。

このサイトでも、10万円を今ベトナムに送金した場合、いくらのベトナムドンを受けとれるのか、引っ張ってこれるようにしていますので、参考まで(10万円以外の金額に変更して入力しても、その時点で依頼した場合の受取金額に自動換算されます。)。

<レートへのリンク>

Wise 日本円→ドンへのレート

 

<受取額の確認>

このサイトでも、下のボックスに数字を入れると、現時点のレートでの受け取り額が分かるよ。

 

*これがどの程度優位な数字か確認したい場合、参考までに、以下のVietcombankのWebサイト見て計算してみて下さい。表のYEN(JPY)の行の、Buying Rates(Cash)の数字を交換したい円にかけた数字が、銀行窓口でドンとして両替して実際に受け取れる金額です(それも日本から現金を無事持って来れた場合ですが。)。その金額と上記ツールの「Recipients gets」の金額を比較するとWiseの優位性が分かると思います。

Vietcombankの本日の為替レート

また、成田空港の両替レートと比較すると、驚愕すると思います。 

成田空港GPAの本日の為替レート

なぜWiseが安いか、比較したらどうか、は色々比較サイトがあるのですが、以下など。

Wiseブログ

 

本人確認・住所確認(ベトナムに住んでいる場合)

初回の送金の時のみ、送金プロセスで本人確認と住所確認が必要です。

住所は、居住国の住所で登録します。ベトナム居住の人は、日本人でもベトナムの住所、日本居住の人は日本の住所を登録します。

初回の送金のプロセスで住所設定をする際に、ベトナムの住所で登録します。その住所が住所確認書類と同じ住所になるようにします。

住所確認書類として使用可能なのは、以下です。(参考:Wiseウェブサイト

・公共料金の領収証 - 電気、ガス、電話(携帯電話の領収証は不可)

・銀行もしくはクレジットカード会社の明細書(写真もしくはスキャンしたPDF)

・住民税の納税通知書、英国歳入税関庁(HMRC)からのお知らせ

・車両登録証

・運転免許証(有効期限内、かつ住所記載のもの)

・他金融機関や政府機関発行の書類

 

ただ、自分で公共料金を契約している場合を除き、ベトナムの住所が記載されている書類はなかなか無いような気がします。私は、サービスアパートに住んでいるため、公共料金を自分で契約しておらず、私の銀行も住所記載の口座証明を発行していません。

Wiseに問合せたところ、以下の書類でも受付可能とのことでした。

・賃貸借契約書(日付、名前、住所、サイン、印鑑)(Wise推奨。私は実際に、会社が契約する賃貸借契約書とパスポートの顔写真ページで本人確認・住所確認ができました。)

・ベトナムの証券会社の取引書類(問合せたところ、受付可能との回答)

・在ベトナム日本国大使館が発行する在留証明書(問合せたところ、受付可能との回答)

 

本人確認・住所確認(日本に住んでいる場合)

日本居住の人はマイナンバーカード、または在留カードが必要です。

私はベトナム居住にも関わらずこの方法で日本の住所を登録しましたが、2021年6月より変更となり、Wiseから居住国の住所を登録するように指定されています。

日本居住の場合の本人確認の手順は、こちら

  

留意点

  • USドルをベトナムへ送金するとSWIFT手数料が別途発生(円→ドンの方が良い)
  • 大量に送金して使わないことがあった場合、後でベトナムから日本へ送金する際に困る可能性がある
  • 一度に290,000,000ドンまで送金が可能(参考:Wiseウェブサイト

* 以前、Wise から通知が来て、送金できない銀行があるとこの記事に記載しましたが、2020年7月現在で自分で試したところ、対象銀行に送金できることを確認しました。但し、それは一度送金した履歴があり、再度送金依頼を作成すると、たまたまできることがあるだけで、公式にはサポートしてないようです。2020年2月25日以降サポートしなくなった銀行は以下のようです。ただ、ベトナムの銀行や、韓国系・中国系など下記以外の外資系銀行も概ねカバーしています。

ANZ BANK(VIETNAM) LIMITED, Standard Chartered Bank VietNam Limited, United Overseas Bank VietNam, Citibank Bank VietNam, HSBC Bank Vietnam

 

なお、USドルで送金する場合のSWIFT手数料が発生する場合でも、銀行送金よりは安価と言っています。問い合わせたところ、銀行が開示してないのでどの程度SWIFT手数料が発生するかわからないが、20~50USD程度かかることが多いが、それ以上となることもある、との回答でした。

ちなみに、米国以外にドルを送金する場合は国が限られているものの、ベトナムは可能とのことです(私はベトナムドンでしか送金したことはありません。)。

また、2点目ですが、ベトナムからの資金の持ち出しには制限があります。さらに、この記事を更新した時点(2023年2月11日)では、Wiseはベトナムから日本への送金ができません。(以下参照)

 →送金可能な国(Wise ヘルプセンター)

 

送金の流れ

1.以下のサイトから送金金額を指定

日本からベトナムへの送金(Wiseウェブサイト)

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日本円か、ベトナムドンで送金金額を指定

2.会員登録(会員登録・本人確認・住所確認は初回のみ)

  →2回目以降はログインして以下のいくつかの項目は省略

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3.送金金額と通貨を再度確認

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4.個人アカウントを選択

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5.個人アカウントの詳細を入力

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6.送金先(自分自身でも他人でもOK)の銀行名、口座番号等必要な情報を入力

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7.身分証明書、住所確認書類のアップロード

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私はパスポートをアップロードしました。

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私は賃貸借契約書をアップロードしました。

8.その後、送金目的の選択と入力した項目の詳細確認があり、自分自身の日本の口座から振り込むことを確認します。オンラインバンキングを指定します。

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指定されるWiseの口座(三菱UFJ銀行)に、自分の日本の銀行の口座から送金(インターネットバンキングなどで)

→この時点で入金しない場合は、送金キャンセルとなる。

→最近、日本国内の銀行は他行宛の送金手数料が無料というのはなくなった気がします。三菱UFJやネットバンク以外の銀行がメインバンクだと、ここで少し送金手数料が発生してしまいます。他にはデビットカードで送金もできるようですが、手数料がかなり上がるので、銀行の振込手数料を入れても、銀行振込のが良いです。

 

9.Wiseで入金確認後、送金手続き開始。

→相手先銀行の情報に不備があった場合、送金額は自分の日本の銀行口座に返金される。

 

10.9で何も問題なければ、早くて当日~1営業日後にベトナムの銀行口座に着金

 

以上です。上記の流れに従って簡単にできると思います。

→ 日本からベトナムへの送金(Wiseウェブサイト)