アジアンプリンス日記

アジアンプリンス日記

ベトナム駐在員のメモです。遊び先、金融、不動産、法律、レストラン、生活、日々蓄積した情報で、ベトナムに関わる方の役に立てれば幸いです。(上記の「アジアンプリンス日記」をクリックすると、記事一覧を見ることができます。)

新型コロナウイルスに対するベトナムの反応

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ベトナムのコロナウィルス対応は、WHOベトナム事務所の発言曰く、第一波、第二波ともに、初動が早く、うまく防ぐことができていると言われています。

*2020年11月30日、第三派が発生しました。3ヶ月ぶりにホーチミン市で市中感染が発生したと政府発表がありました。

日本から帰国したCAが感染源とのことです。。。第二派もダナンで3ヶ月ぶりだったので、3ヶ月で人々の緊張が緩む周期がある気がしてなりません。

 

政府も手洗いアニメ動画を作るなどまでして、かなり頑張ってます。(以下参照)

SARSの時もベトナム政府の徹底した管理で、うまく防げたとの一定の評価があるようです。

 

ここでは日本も参考になる、ベトナムのコロナ対策の現状を紹介します。

なお、最新の最も信頼のおける情報は、以下の大使館ホームページだと思いますので、そこを参照ください。(2020年9月以降情報が少ないですが😥)

→ 在ベトナム日本国大使館コロナ情報

 

 

エレベータのボタンにサランラップ

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2月のコロナのかなり初期段階ですが、とある省庁に行きましたが、エレベータに乗った際、階を押すボタンにサランラップが貼り付けてありました。これは、ステンレス製の素材はウイルスが長く生存するため、という噂?があるためです。サランラップだったら、ウイルスが長く生存できないため、色々な人が触れるエレベータのボタンを、サランラップで覆っています。

 

日本でもやってるんですかね。。。

中国では同じ対応をしているようです。

 

噂+中国に倣う+見てくれ構わず実行する → ベトナムらしさ

 

でも検索すると、以下のページに同じ主張が掲載されていました。

ウイルスがつきやすいのは、主にプラスチック、ステンレスです。

専門医がアドバイス】Website

 

社会隔離(準ロックダウン)を実施

勝手に準ロックダウンと言いますが、ついに4月1日から15日まで(延長して22日まで)、政府首相の指示により、ほぼ外出規制がかかりました。スーパーや薬局などのために外出はできます。しかし、3人以上で出歩くと罰金となり、アパートの外から、警察が「Go home!」と叫んでいるのがたまに聞こえます。。恐いw

デリバリーもあるので、生活に困ることは今の所感じません。

しかし、日本の緊急事態宣言と同じくらいの「不要な外出をしないよう要請」ですが、日本よりはずっと厳格な体制があり、また、国民もそれに従って無駄な外出を避けていると感じています。

 

手洗いアニメ動画を政府が作成(名曲w)

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保健省が有名Vポップシンガーの歌をアレンジ、アニメにして感染防止を訴えています。しかもこれが名曲。この記事作成時点で、1,600万回くらい再生されています。

誰がやってくれたか分かりませんが、ちゃんと和訳もついている。

「最近出現した やばいウィルス、その子の名はコロナ。どこから来たんだ?故郷は武漢さ」ストレート過ぎるwww 

麻生副総理も気に入るはず。

ベトナムは最高ですね。ベトナムは外国との交流で再度感染が拡大していますが、本当に戦いに勝利して欲しいです。

ちなみに、原曲は以下。こちらも割とシュールです。

youtu.be

そして全米でも注目。このキャスター最高w

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英語バージョンもリリースしました。

youtu.be

 

幼稚園の休園対応とその決定

かなり早い段階から、幼稚園が休園となり、うちの妻のイライラがピークに達しています。。。

他の家庭の方もいつ再開するのかと、やきもきしていることと思います。ホーチミンの方で来週は再開するらしいから、ハノイでも再開すると思われる。。。みたいな。

幼稚園からもそのようなメールが来たと思ったら、区人民委員会は再開を決定したが、ハノイ人民委員会の決定がそれを覆した、とのことで、来週も休園となりました。

 

上級機関の決定が絶対。でも下級の区でも決定を出すのだろう。(上の決定が遅いから、独立意識があるから。。。?)

しかしベトナム政府のこのような徹底した対応は、被害の抑制に一定の効果があるのだと思います。 

なお、3月から徐々に学校が再開しました。しかし3月6日以降の感染拡大で、再度休校となっています。

そして、社会隔離での封じ込めに成功し、ついに、5月から学校が再開しはじめました。

 

みんなマスクをつけることに慣れている

日本ではマスクが予防に効果があるかどうかは議論がある、ということが分かった後、マスクを付けている人が減ったと思います。でも、ベトナムではみんなマスクを付けています。それは、、、もともと大気汚染がひどくてマスクを付けているから。

そして、3月16日から、ついに公共の場でマスクを付けることが義務化されました。

マスクを付けていないと、10万ドンから30万ドンの罰金です。。。

ちなみに、2020年10月28日現在、まだハノイではマスクを付けてないことが罰金対象のようです(同日のハノイ市人民委員会Covid19対策委員会の発表より)。

村を封鎖 

2月13日に当局が感染者が多数確認された北部ビンフック省のソンロイ村を封鎖しました。ハノイやノイバイ空港に近いから、ということで、迅速な対応をとったということです。

しかし、日本のクルーズ船でも同じことを思いましたが、封鎖された村に残された人はどうなるのかと、、、本当に心配になります。

隔離施設および自宅で隔離措置を受ける村民に対して、1日につき6万VND(約287円)、4万VND(約191円)をそれぞれ支給する。

 VIETJO記事より

一日4万ドン。。。

他の報道によると、20日間封鎖され、3月3日で終了したようです。その後も感染地域でいくつか封鎖がありました。

 

感染概況 →保健省ウェブサイトで状況を更新

保健省の特設ウェブサイトで、新型コロナウィルスの最新状況を公開しています。

保健省ウェブサイト

これがとてもわかり易いです(Google Chromeで閲覧すると、右クリックで簡単に

ページを翻訳してくれます。)。

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保健省の特設ウェブサイト(2020年8月3日現在のスクリーンショット)

保健省がコロナ対策用のアプリを開発

また、保健省が各機関・企業と連携し、対新型コロナ対策の情報発信アプリを開発しています。

まず大使館の注意喚起にも出てくるアプリは、Bluezoneです。英語版もあります。アプリをダウンロードして参加すると、互いにアプリを持っている人同士の接近情報を保存します。当局が感染者の情報をアプリに送信し、感染リスクを知らせてくれます。

→ダウンロードサイトはこちら

1.サイトにアクセスして、アプリをダウンロード

2.電話番号を入力して、tiep tuc(続ける)をタップ

3.ショートメールで6桁コードが届くのでそれを入力して、xac thuc(確認)をタップ、OKをタップ

4.画面右上のVi/Enから英語に切り替え

 

あとは例えば、「COVID-19」というアプリ。全てベトナム語ですが、保健省とWHOの信頼できる情報が取得できます。ついでにその日の旧暦の日付と天気も載っている、ベトナム人のための真のアプリw

→念の為、ダウンロードサイトはこちら

 

あとは、「NCOVI 」と「Vietnam health declaration」というアプリ。ベトナム政府はこれらのアプリを活用し、国民と外国からの入国者に対して健康申告を行うことを推奨しています。

健康申告に対する虚偽事件も発生しており、嘘をついた際の処罰が厳しくなっています。

他には、「Sức Khỏe Việt Nam(ベトナムの健康)」というアプリでは、病気予防と感染の更新情報、最寄りの病院情報等も提供しています。保健省とViettelが6日間で完成したとのこと。

いろいろスピーディーに開発しています。

 

そして、極めつけは、ハノイ市が開発した「Hà Nội SmartCity」。感染者と隔離措置を受けている人に対して、強制的にスマホに導入、監視する最強のアプリw 対象者が指定の場所から20~30m離れると、本人、その家族および当局者の携帯電話にアラートメッセージが届く仕組みとなっているとのことです。

Vietjo記事

日本だと到底導入が不可能なこのやり方。非常事態には効果を発揮するレジームだとつくづく思います。

 

電話番号のショートメール(SMS)やZaloで保健省が注意喚起

「感染疑いのある人はすぐに最寄りの病院に行ってください。」「みんなで頑張って乗り越えましょう。保健省のCOVID-19対策アプリをダウンロードしましょう。」など、ショートメールやSNSで、ベトナム政府(保健省)から注意喚起が来ます。

全ての番号に送られていると思うのですが、逆に言うと政府が全ての通信をコントロールしているということですね。。。

でもこのような統制が必要な時には、政府の情報発信が有効に行える仕組みということです。

 

有名政治家が隔離

ベトナムでは有名人もしっかり隔離の対象になっています。ロンドンーハノイ便で17番目の感染者が見つかりましたが、同じ便に計画投資省の大臣が乗っており、大臣も隔離されたとのことです。

そして市中には、搭乗便の座席シートの位置まで出回っているようです。。。

検査の結果は陰性だったとのこと。

ただ、帰国後すぐに地方出張があり、その地方の幹部が大臣と面談しており、大臣が陰性だったにも関わらず、その地方の幹部もどうように隔離措置を取られています。

日本よりも隔離措置が徹底していることが窺えます。

 

高級ホテルが隔離対象の外国人観光客を無料招待

いくつかのホテルは、流行国または流行国経由で第三国からベトナムに入国したり、搭乗した航空便に感染者が確認されたなどの理由で隔離対象となった外国人観光客に対して、無料でホテルに招待しているようです。

隔離対象者は敷地外に出ることを禁止されているが、ホテル内の施設なら思う存分利用が可能とのことです。

以下対象の外国人観光客の感想がありましたが、

隔離措置が始まって以降、ホテルのプールで泳いだり、穏やかな時間をボーっとして過ごしたり、何不自由ない生活を送っている。同氏は「ここは気候もいいし、食事も最高。施設は欧州よりも良いのに、全てが無料。特別な思い出になったよ。このベトナム旅行は一生忘れられない」と感想を述べた。

Vietjoニュースより

いいニュースですね。ホテル側もコロナの状況で経営が苦しいのに、本当に素晴らしいです。

 

一人ひとりが兵士になる

3月27日の首相の指示書(15/CT-TTg)によると、国民一人ひとりがコロナと戦う兵士になることを首相が呼びかけています。日本人からすると、物騒な表現と思いますが、危機意識を高め、なんともベトナムらしい。

ベトナム人の政府系コンサルの方曰く、ベトナム人は戦争に敏感なため、こうした言い方はとても効果があったのでは、とのことです。

 

まとめ

ベトナムのコロナ対策は、日本も参考になるものが多いです。感染ルートを特定出来なかったケースが無いというのが、管理国家のすごいところです。

また、先日政府のある方が言っていましたが、元々ベトナムは環境汚染がひどく、国民が健康に対して敏感である、そのため、国民の健康に対する危機意識が高いため、封じ込めに成功しているのだろう、とのことでした。

ベトナムが成功しているとは言え、世界的にはまだまだ不安が続く状態のため、一刻も早く正常化することを祈っています。